Felipe Pantone “Manipulable”

スペインを拠点に活動するアーティスト、フ ェリペ・パントンによる個展「Manipulable」をGallery COMMON にて2022年6月3日(金)から7月 17日(日)まで開催される。
本展のタイトルとなる 「Manipulable」は、ラテン語のmanus(手)を語源とし、「手を使って動か したり操作したりできるもの、または管理、制御、成形できるもの」を指している。そして展示作品は、それに伴いすべて鑑賞者が触れ、アレンジできるよう制作されているのだ。

パントンは12歳の時にグラフィティシーンにてアーティストのキャリアをスタートし、その後スペインのバレンシア大学でファインアートの学位を取得。幼少期からのストリートでの経験、学術的知識の組み合わせから成る彼の思想は、制作テーマでもあるデジタル時代における視覚情報の消費プロセスを考察、表現する上で、極めて重要なものになる。 ヴィクトル・ヴァザルリやカルロス・クルス=ディエスのような運動芸術家からインスピレーションを受けているパントンの作品は、ダイナミズ ム、変革とデジタルレボリューションを軸にしており、本展はこれらの哲学を直接実践した作品発表の場でもあるという。

「今は何でも自らがコントロールできる時代です。ラジオはもう聴かない、 自分でプレイリストを作る。テレビはもう見ない、自分で選んだ番組をストリーミングする。インターネットによって、情報そのものが誰でも操作可能 になりました。」と本人は語ります。そんな世界に比べ、なぜアートがこん なに一方的なのかと、パントンは作品を通して疑問を投げかけている。

「光、動き、色彩が私の作品の特徴です。そこに『触れる』という要素を加えることで、皆が作品により近づけることができるのです。今回は初めて、 全ての展示作品が鑑賞者によって完成されるよう作りました。鑑賞者が他の消費するものと同様、触れることによる作品との対話は非常に現代的だと思います。そんなセルフ・キュレーションに定義されてる現代の世界に相対した作品を作りたかったのです。」

パントンの哲学と貴重な作品に直接触れることができる機会に足を運び楽しもう。

Felipe Pantone “Manipulable”
会期 : 6月3日(金)~ 7月17日(日)
会場 : Gallery COMMON
住所 : 東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
開廊時間 : 12:00 – 19:00
休廊日 : 月・火
Tel : 03-6427-3827

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